薄笑いを浮かべて椅子にすわっている様子は、穏やかではあってもどこか廃人めいている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:80% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
廃人
おとなしい(静かで穏やか)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......いことは今さらしないだろう。 陣治は人が変わった。十和子が早く帰る日にも、料理を作ることも、自分から十和子に話しかけることもせず、ただぼんやり煙草を吸っている。薄笑いを浮かべて椅子にすわっている様子は、穏やかではあってもどこか廃人めいている。このままあきらめるつもりなのか、それとも、何かとりかえしのつかない行動に走る前にいったん息を潜めているだけなのか、十和子には判断がつかない。 だが大切なのは、少......
ここに意味を表示
廃人の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
池本の血走った異常な眼。池本夫人の虚ろで病的な眼。一見正反対に見えて、どちらも同じだった。 この人たち……。 廃人の一歩手前なのだ。 何が二人をここまで追い込んでしまったのだ? 被害者家族とはこんなに悲惨なものなのか?
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
池本は答える前に、運ばれてきたアイスコーヒーをこれまた一気飲みした。口元からたらたらとこぼれるのを手で拭う。壊れかかったような危うさがこの人にはある。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
おとなしい(静かで穏やか)の表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「その他の気分」カテゴリからランダム5
酔い醒めの不快な気分がいつまでも邦彦の中に 溜まっていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(思いが)綿に沁みていく水のように身内にひろがり
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
酒と血とを、交ぜたような、どろんとした眼
吉川英治 / 無宿人国記
晴れたり翳ったりと気持ちが不安定
綿矢 りさ「しょうがの味は熱い (文春文庫)」に収録 amazon
「人の印象」カテゴリからランダム5
(家族の中で一人だけ外見が異質)一家にあって、彼は常に「異物」だった。調和を乱し、不協和音を作り出す間違った音符だった。一家で撮った写真を見ると、彼一人だけが明らかに場違いな存在だった。間違えてそこに入り込んで、たまたま写真に写ってしまった無神経な部外者のように見えた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
(団体行動)統率が取れている軍人にも見えた。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
肩を落とし背を丸めた後ろ姿が、まるで見えない荷物を背負っているように見える
落合 恵子 / 夏草の女たち amazon
同じカテゴリの表現一覧
その他の気分 の表現の一覧
人の印象 の表現の一覧
感情表現 大カテゴリ