天心をややに外 れた月が私の歩いて行く砂の上にも一尺ほどの影を作っていました。
梶井基次郎 / Kの昇天――或はKの溺死 ページ位置:30% 作品を確認(青空文庫)
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影
月の光・月明かり
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前後の文章を含んだ引用
......のです。近寄ってゆく私の足音にも気がつかないようでした。ふと私はビクッとしました。あの人は影を踏んでいる。もし落し物なら影を背にしてこちらを向いて捜すはずだ。 天心をややに外 れた月が私の歩いて行く砂の上にも一尺ほどの影を作っていました。私はきっとなにかだとは思いましたが、やはり人影の方へ歩いてゆきました。そして二三間手前で、思い切って、 「何か落し物をなさったのですか」 とかなり大きい声で呼びか......
単語の意味
天心(てんしん)
砂(すな)
尺(しゃく)
天心・・・空の中心。空のまん中。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
尺・・・1.尺貫法での、長さの単位。寸(すん)の10倍、丈(じょう)の10分の1。一尺は30.3センチ。もともとは、手を広げたときの親指の先から中指の先までの長さを1尺といった。この長さは約18センチで、現在の尺の6割ほどの長さ。
2.1が転じて、ものさし。
3.1が転じて、丈(たけ)。
4.1が転じて、映画のフィルムやカットの長さ。
2.1が転じて、ものさし。
3.1が転じて、丈(たけ)。
4.1が転じて、映画のフィルムやカットの長さ。
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(蝋燭の火で)壁の上の影も大きく揺れた。壁そのものが崩れ落ちるんじゃないかという気がするくらい大きく、ぐらぐらと。
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