湯はさらりとして熱かった。家でわかすお湯とは違い、温泉水の硬さがある。身体のこりがほぐれてきて、揉みしだかれたように、背中の筋肉が緩んでいつもよりのびのびと広がった。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 ページ位置:72% 作品を確認(amazon)
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ほっとする・緊張を解く
気がゆるむ
温泉
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前後の文章を含んだ引用
......鮮やかに映える。お湯だけでなく自分の裸体から立ちのぼる湯気も、パワーや生きている証に思えて、裸で自然に囲まれているせいもあり、野性的な気分になる。「いいねえ」 湯はさらりとして熱かった。家でわかすお湯とは違い、温泉水の硬さがある。身体のこりがほぐれてきて、揉みしだかれたように、背中の筋肉が緩んでいつもよりのびのびと広がった。仕事のあいだずっとハイヒールを履いて立ちっぱなしのため、まめやすり傷が何箇所かできている足に、湯の硫黄の成分がしみて、ちょっと痛い。 露天風呂に入っている客は私......
単語の意味
身体(しんたい)
背中(せなか)
身体・・・人のからだ。肉体。
背中・・・背の中央。背骨のあたり。動物の胴体の背骨のある側。胸や腹と反対の面で、両肩の間から腰のあたりまでの部分。背(せ)。背面。
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ほっとする・緊張を解くの表現・描写・類語(安心するのカテゴリ)の一覧 ランダム5
心が糸のように解きほぐされてゆくのをかんじた。
尾崎 士郎 / 人生劇場 青春篇 amazon
水島は背もたれにどっと身体をあずけて、口を開け空を振り仰ぐ。やれやれという感じ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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気がゆるむの表現・描写・類語(安心するのカテゴリ)の一覧 ランダム5
膨らんだ風船から空気がすっと抜けるように、力みが消えた。
伊坂 幸太郎 / マリアビートル amazon
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温泉の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ラジウムの 含有量 で世界第二位というここの湯が気に入っていた。いかにも厚味のあるトロリとした 肌 ざわり、そして出てからいつまでもぽかぽか温まっている
志賀 直哉 / プラトニック・ラヴ「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
ほんの茅葺 屋根の吹き曝 しの温泉で、桜の花も散り込んで来たし、溪の眺めも眺められた
梶井基次郎 / 温泉
丸太造りの大きな浴槽に澄み切った温泉があふれ、暖かくなると、天井の梁に巻きついていた蛇が湯気に酔って浴槽へ落ちて来るほどの、当時の法師温泉は鄙びた湯治場で、
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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松本行きの特急列車はプラットフォームを離れた。彼はベンチに座ったまま、その明かりが線路を遠ざかり、スピードを上げながら夏の夜の奥に消えていくのを最後まで見届けた。最終列車の姿が見えなくなってしまうと、あたりは急にがらんとした。街そのものが輝きを一段階落としたようにも見えた。芝居が終り、照明が落とされた後の舞台のようだ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
モグリかと思うくらいあじけない治療院
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
映画館の看板や百貨店の垂れ幕が色鮮やかな繁華街の中でひときわはなやいで映っていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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