日本語表現インフォ：ピンとくる言葉や描写が見つかる辞典

小川さんが流行に流されているのではなくて、小川さんのような女の子たちから、流行とは自然発火していくんじゃないかと思う。小川さんが可愛いと手に取ったものが、少しずつ女の子の中で流れていき、水流になっていくような気がする。

村田沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録　ページ位置：57%　作品を確認（amazon）

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前後の文章を含んだ引用

......着ること。ボタンをはずしてゆるめた襟元。短いスカートに、色のついた靴下。この前まではワンポイントが可愛い靴下を履いていたのに、いつのまにか違ってしまっている。　小川さんが流行に流されているのではなくて、小川さんのような女の子たちから、流行とは自然発火していくんじゃないかと思う。小川さんが可愛いと手に取ったものが、少しずつ女の子の中で流れていき、水流になっていくような気がする。　私たち同世代の女子にしかわからない細かな情報と、誰が見てもわかる値段の高い女の子という素材と、両方をまるで当たり前のように手にしていた。　無造作に前髪をかきあ......

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「威張んな、この野郎」この言葉が皆の間で流行（はや）り出した。何かすると「威張んな、この野郎」と云った。別なことにでも、すぐそれを使った。

小林多喜二 / 蟹工船

マイケル・ジャクソンの唄が清潔な疫病のように世界を覆っていた

（流しの唄うたいの唄が流行る）その唄が時の巴里の物足りなく思っている感情の欠陥へこつりと嵌まり込めばたちまち巴里じゅうの口から口へ移されて三日目の晩にはもうアンピールあたりの一流の俗謡の唄い手がいろいろな替唄までこしらえて唄い流行（はや）らしてくれるし譜本は飛ぶように売れ始まる。

岡本かの子 / 巴里の唄うたい

流行に取り付かれる

その一冊はある種の人々にとってまるで古典のような感じで、今も静かに売れ続けていた。

吉本ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録　amazon

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