(グローブ)どんな打球でも逃さず捕球できそうな美しいグローブ
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:96% 作品を確認(amazon)
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野球
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前後の文章を含んだ引用
......手の拳で感触を確かめたりなどしながら、最後まで食事を続けていただろう。 後日判明したのだが、グローブは未亡人がスポーツ用品店まで行って購入してくれたものだった。どんな打球でも逃さず捕球できそうな美しいグローブを是非に、というのが博士の希望だったらしい。 私とルートはごく自然に振る舞った。ほんの十分足らずの間に私たちが忘れられていたとしても、慌てる必要はなかった。前か......
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野球の表現・描写・類語(スポーツのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(ファウルボールが客席に飛んできて危険な目に遭う)ボールが落下をはじめた瞬間、これは決して優雅な打球などではないと悟った。止めようもなく見る見るスピードは増し、風を切り、長い旅を経て宇宙から落下してくるもののような熱気を撒き散らしていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(ピッチャーが投げる)今まさに、左手を振り下ろした瞬間だ。右足はしっかりと土をつかみ、ひさしの奥の目は、キャッチャーミットに吸い込まれてゆくボールを見つめている。マウンドに漂う土煙の名残が、ボールの威力を物語っている。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
振り切ったバットから、優雅な放物線を描き、ボールが夜空に舞い上がった。博士の古い大学ノートに書かれていたような放物線だった。ボールは月よりも白く、星よりも美しく、群青色の宙のてっぺんに浮かんでいた。皆がうっとりとその一点を見上げていた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
(グローブ)どんな打球でも逃さず捕球できそうな美しいグローブ
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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「スポーツ」カテゴリからランダム5
選手たちの表情には、ただならぬものがあった。ボールの奪い合い方にも、ぶつかり合い方にも、スポーツというよりケンカに近い、反則すれすれのつばぜりあいが見られるのだった。 もつれて転倒し、 睨み合って立ちあがり、いまにもつかみかからんばかりの形相で向かい合う選手と選手の足元に、ボールが仲裁に入るように転がっていく。審判員のホイッスルが響いて、かろうじて均衡が保たれる。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
ゴングが鳴る。 途端に、揺れる。軋みながら、サンドバッグが揺れる。ジムが揺れ、サンドバッグを吊るしたチェーンが軋み、サンドバッグが鳴り、コーチの構えるミットが揺れ、蹴りを繰り出す男たちの軸足が軋み、拳を振る男たちの腕が揺れる。ばすん、ばちん、と音を立て、地面が揺れ、それがガラスを震わせ、壁を越えて、こちら側のベンチを軋ませ、座る僕たちの身体を鳴らす。皮膚や足元が震えるだけでなく、僕たちの内側にある精神の柱を揺すってくる感覚だった。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
鉄アレイのような形をしたバンカー
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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