遠く弓なりに 百足 のような汽車が見え出す。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:25% 作品を確認(amazon)
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電車・汽車
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前後の文章を含んだ引用
......、今はその誰もいない孤独さに、彼は堪えられなくなった。下の方を烈しい響きをたてて急行の上り列車が通る。烟だけが見える。そしてその響きが聴えなくなると、暫くして、遠く弓なりに百足のような汽車が見え出す。黒い烟を吐きながら一生懸命に走っている。が、それが、いかにものろ臭く見えた。あれで明日の朝は新橋へ着いているのだと思うと、ちょっと不思議なような、嫉ましい気がし......
単語の意味
百足・蜈蚣(むかで)
百足・蜈蚣・・・ムカデ綱の節足動物の総称。体は平たく、ミミズのように細長い。輪のような節がたくさんあり、節ごとに一対の足がある。毒をもち攻撃的な特徴が武家に好まれた。足がたくさんあるので「客足がつく(=客がたくさん入る)」などと縁起物にされることもある。
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予期しないことが起った。その人はタクシーから離れて急にうしろに二、三歩退ったのだった。ブレーキを踏んだが間に合わなかった。横の雅子が叫んだとき、前の人影が躍るように消えた。彼は車体の下に鈍い衝撃を感じた。 車を下りたとき、外灯の光の当った三メートルばかり向うの道路の上に人間の黒い姿が横たわっているのが見えた。桑木は膝頭から力がぬけて、そこまで行くのに水の中を歩くようだった。 彼は寝ている人の傍に寄って声をかけたが返事がなかった。中年の勤め人ふうの男だった。抱きあげるつもりで頭に手をやると、その頭から真黒い水がこぼれた。外灯や、ほかの車のヘッドライトでそれが血だと知ったとき、桑木は自分を失い、何をしていいかわからなくなった。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
パンダみたいな白黒のパトカー
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
線路の上に重しのようにずしりと止まる機関車
尾辻 克彦 / 父が消えた amazon
二三回乗っているうちにペタルが足について来て、するするとハンドルでかじが取れるようになった。
林芙美子 / 新版 放浪記
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