この料理店の内部の落ちつきはどうだろう。私のような年代のものにいわせるなら、昭和初期の、人の心と生活が、まだ充分に潤いと余裕をたたえていたころの雰囲気がただよっている。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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老舗
店内の雰囲気
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......は、現代において、まことに深いものを蔵しているといわなくてはなるまい。 端正な風貌の、いかにも物しずかな石田さんも六十をこえて、長男がコック長である。 それに、この料理店の内部の落ちつきはどうだろう。私のような年代のものにいわせるなら、昭和初期の、人の心と生活が、まだ充分に潤いと余裕をたたえていたころの雰囲気がただよっている。 石田さんは、「材料の値上り分を売値にのせることが、どうしてもできない」 切なげに洩らした。 この良心が固定客をつかんでいればこそ、営業をつづけていられるのだろ......
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紅殻格子の、古風な店構え
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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シャッターを下ろしたジェイズ・バーの中には何年ものあいだ彼が求めつづけてきたきらめきのかけらもなかった。全てが色あせ、そして全てが疲れ切ってしまっているようだった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
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(車のディーラー)中に入ると、新しいタイヤと合成樹脂と本革の匂いが混じり合った新車独特の匂いがした
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
灯かげの隙洩 る戸
吉川英治 / 野槌の百
顔色が黄色く見えるほどその日の空も部屋の中も寂 れていた。
有島武郎 / 或る女
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(BGM)シェーカーが振られたり、グラスが触れあったり、製氷機の氷をすくうゴソゴソという音がしたりするうしろでサラ・ヴォーンが古いラブ・ソングを唄っていた。
村上 春樹 / ノルウェイの森 下 amazon
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