(猫の耳は)薄べったくて、冷たくて、竹の子の皮のように、表には絨毛 が生えていて、裏はピカピカしている。硬 いような、柔らかいような、なんともいえない一種特別の物質である。
梶井基次郎 / 愛撫 ページ位置:1% 作品を確認(青空文庫)
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猫
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猫の耳というものはまことに可笑 しなものである。薄べったくて、冷たくて、竹の子の皮のように、表には絨毛 が生えていて、裏はピカピカしている。硬 いような、柔らかいような、なんともいえない一種特別の物質である。私は子供のときから、猫の耳というと、一度「切符切り」でパチンとやってみたくて堪 らなかった。これは残酷な空想だろうか? 否。まったく猫の耳の持っている一種不可思議な示唆 力によるのである。私は、家へ来たある謹厳な客が、膝へあがって来た仔猫の耳を、話をしながら、しきりに抓 ってい......
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寝床の上に丸くなって寝ている猫
梶井基次郎 / のんきな患者
猫が、絶望的な野蛮な声を張り上げて暴れる
志賀 直哉 / 小僧の神様・城の崎にて amazon
(猫が)市役所の測量工夫のように辻 から辻へ走ってゆく
梶井基次郎 / 交尾
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犬はなお八釜(やかま)しく吠えたてて、仕舞には遠吠えをしたり、それに節をつけて人間の言葉の様な泣き方をしたりした。
内田 百けん / 東京日記「東京日記 他六篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
赤ちゃんねこはまるくなって眠っていました。わすれられたひとかたまりの毛糸のように……。
松谷 みよ子 / 黒ねこ四代「黒ねこ四代・火星のりんご ほか (松谷みよ子全集)」に収録 amazon
猫のようなネズミ、それは料飲街の壁裏に住む特有の種族だ。
開高 健 / パニック「パニック・裸の王様 (新潮文庫)」に収録 amazon
狐が、暖かな毛の色を、傾きかけた日に曝 し
芥川龍之介 / 芋粥
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