庭で蟬が鳴いている。ヒグラシだ。 カナカナカナ…… 澄んだ高い音調は、窓に映る夕映えの色とよく似合って美しい。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 ページ位置:97% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
蝉(せみ)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......。極上の笑顔だ。こいつは、どうしてこんなに美しく微笑むことができるのだろう。「ぐっすり、おやすみ」 美咲の唇があたしの額に触れる。それも、ひやりと冷たかった。 庭で蟬が鳴いている。ヒグラシだ。 カナカナカナ…… 澄んだ高い音調は、窓に映る夕映えの色とよく似合って美しい。 たぶん、椎の樹で鳴いているんだろう。あたしが小学校一年生の時、埋めたドングリが樹になった。その幹でヒグラシが鳴いている。木陰には、染子がうずくまっているはずだ......
単語の意味
夕映え(ゆうばえ)
蝉・蟬(せみ)
夕映え・・・夕日を受けてモノが照り輝くこと。夕焼け。
蝉・蟬・・・1.セミ科の昆虫を総称。夏に鳴く虫の代表。羽を畳んで木に止まり、雄は高い声で鳴きたてる。幼虫は数年かかって成虫になるが、成虫の寿命は10日から20日と短い。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
2.高いところに物を引き上げるときに使う、小さな滑車。
ここに意味を表示
蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蟬が鳴きつづけていた。彼らは終りかけた季節を呼び戻すために、死にものぐるいで羽をこすりあわせていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
なぜこれがひぐらしだと分かるのかと言えば、夕方の効果音として映画やゲームでお馴染みだからだ。カナカナカナという切なげな鳴き声は、実際には周囲360度からまんべんなく響いてきて、映画よりも余程映画らしい。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
油を焦がすようだった蝉の音も次第に消えて行く
水上 瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
拳でどんと叩くと、木の葉のようにぱらりと落ちて
川端 康成 / 雪国 amazon
糸の縫い目に、白い埃のように虱(しらみ)たちがじっとかくれている
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
花にたわむれている蝶は粉雪のように軽い
白洲 正子 / 能の物語 amazon
いなごの大群は山を越えてやってきた。はじめのうち、それは巨大な暗雲に見えた。次にぶうんという地鳴りがやってきた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
昆虫・虫 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ