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振り向くせつなに、さっと、真っ赤なものが、自分の腕にも、胸にも、部屋にも、眸いっぱいに見えた。 ウーム……と、誰か、分らない呻 きがながれた。行燈 は、消えて、倒れた弾 みに、ころころと、灯皿が白い煙の糸をひいて、独楽 みたいに、部屋を廻った。
吉川英治 / 無宿人国記 ページ位置:47% 作品を確認(青空文庫)
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刃物で人を切る(刺す)
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前後の文章を含んだ引用
......びかわして、 (それは柱だっ) と、罵倒 した。 丈八郎の刀は、斜 かいに、隅柱へ斬りこんだまま、抜けなかった。とたんに、うしろへ一角の刃を、感じたので、手を離して、振り向くせつなに、さっと、真っ赤なものが、自分の腕にも、胸にも、部屋にも、眸いっぱいに見えた。 ウーム……と、誰か、分らない呻 きがながれた。行燈 は、消えて、倒れた弾 みに、ころころと、灯皿が白い煙の糸をひいて、独楽 みたいに、部屋を廻った。 ウウム……と、二度目の苦鳴を聞いたとたんに、 「あッ――お信が」 と、発狂したように、お八重がさけんだ。 丈八郎も、一角も、はッと気を抜いて、 「おうっ?」 と、......
単語の意味
胸(むね)
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婦人の腹部、臍の右上にナイフの切っ先が当たる。力を加えると、表皮に刃がめり込んでいく。腹直筋を切り、毛細血管、神経を割く。ナイフが肉を破り、穴を空ける。肝臓に到達したところで、一度、止まる。 婦人が涎混じりに、呻いた。 ナイフが外に引き出されるのと同時に、刃先が離れた血管から、次々と血が漏れる。 間を置かずして、次に婦人の胸にナイフを向けた。左の乳房の膨らみから数センチ下に、力を込め、刃を突き出す。 ナイフは脂肪を通過し、肋硬骨の隙間を縫って、さらに奥に進み、心筋に突き刺さる。 婦人の目は見開かれている。ガスを吐き出すかのように、ひゅうっと口から息を出す。 ナイフがもう一度、外に出ると、婦人の顔から色が消え、尻から後ろへ倒れた。
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー 角川文庫 amazon
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(ラクダ)駱駝は二足か三足ごとに、太古の武将のように頭を振り上げながら歩いていた。
川端 康成 / 春景色「伊豆の踊子・温泉宿 他四篇 (岩波文庫)」に収録 amazon
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