熱いものが飛竜（ひりゅう）のように復一の胸を斜に飛び過ぎた

暖かい感情になる

胸に温かいものがこみ上げるのを感じる

胸の奥底が熱く泡立った。

胸が熱くなり涙が目に溢れる

座も割れさけんばかりの大喝采

僕は息を呑み、呆然と彼女を眺めた。口はからからに乾いて、体のどこからも声はでてこなかった。白いしっくいの壁が一瞬波打ったように思えた。店内の話し声や食器の触れ合う音がぼんやりとした淡い雲のようなものに姿を変え、そしてまたもとに戻った。波の音が聞こえ、懐しい夕暮の匂いが感じられた。しかし、それらは何もかもほんの何百分の一秒かのあいだに僕が感じたもののほんの一部にすぎなかった。

心を打たれる

貌（かお）は強い感動を抑えていた。

甘いコースに投げ込んで、特大ホームランを打たれたピッチャーの心境かもしれない。思いっきり目が覚めた感じ。