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「ずっと、好きだったみたいなんだ。」 私は黙った。急に何もかもが近くに見えるように思えた。ビルも、手すりも、自分の手も。恋の視覚だ。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:81% 作品を確認(amazon)
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気持ちを伝える・思いを告げる
恋愛・恋する・恋心
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前後の文章を含んだ引用
......ちが、じんわりと湧いてくるのがわかった。それはふたりの間に蒸気のように漂う気配だった。「考えたんだけど。」 彼は言った。他に人はなく、マンボウだけが聞いていた。「ずっと、好きだったみたいなんだ。」 私は黙った。急に何もかもが近くに見えるように思えた。ビルも、手すりも、自分の手も。恋の視覚だ。「真由がいなくなって、旅行に出ることに決めて、出てみた。一人だとつまんない。ずっと、心のどこかで君と行くことを想定していた。ものを盗まれたり、人に冷たくされたり......
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気持ちを伝える・思いを告げるの表現・描写・類語(言葉を交わすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(十歳の少女が十歳の少年の手を握って、)彼女が求めているのは、自分の感情を天吾にしっかり送り届けるという、ただそれだけのことだ。それは小さな固い箱に詰められ、清潔な包装紙にくるまれ、細い紐できつく結ばれている。そのようなパッケージを彼女は天吾に手渡していた。 そのパッケージを今ここで開く必要はない、と少女は無言のうちに語っていた。その時がくれば開けばいい。あなたは今これをただ受け取るだけでいい。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
ずっとたまっていたほこりをぽろりと払うように言葉を吐く
谷村 志穂 / ハウス amazon
じっと人の目を見つめ、切々と、縷々と、思いの丈を訴える
荻野 アンナ / 背負い水 amazon
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恋愛・恋する・恋心の表現・描写・類語(恋愛のカテゴリ)の一覧 ランダム5
急激なせつなさに襲われたようだった。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
本当はただたださわりたくて、キスしたくて、抱きたくて、少しでも近くに行きたくてたまらなくて一方的にでもなんでも、涙がでるほどしたくて、今すぐ、その人とだけ、その人じゃなければ嫌だ。それが恋だった。思い出した。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
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「言葉を交わす」カテゴリからランダム5
自己の存在を認めて貰いたかった
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
蒔野は、淡々と語ってはいたが、急に目の焦点を失って、しばらくグラスの中の氷を見つめていた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
「恋愛」カテゴリからランダム5
階段の真下まで行った時、野呂が足を止め、ゆっくりとわたしのほうに顔を傾けると、わたしの頰に手をあてがってきた。ああ、ここでキスをされるのだな、と思った。 酔いが感覚を鈍麻させていたために、わたしがそう思ったのと、彼が唇を合わせてきたのはほぼ同時だった。眠ろうとして目を閉じる時のように、わたしはそっと目を閉じた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
ただ、炬燵で抱き合っている 間 に直子は 嘗て経験しなかった不思議な気持から、頭のぼんやりして来るのを感じた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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