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(ギターの演奏)奏でる旋律が、かつてのようにハリのある運動の軌跡を示さず、和音が曇りを帯びてたちまち潰えてしまう
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 ページ位置:70% 作品を確認(amazon)
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スランプ
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前後の文章を含んだ引用
......力が非陳述的記憶に関係しているという整理には納得がいった。 問題は、その両者がどんな具合に結び合い、影響し合って、全体的な統一を実現しているのかだった。 自分の奏でる旋律が、かつてのようにハリのある運動の軌跡を示さず、和音が曇りを帯びてたちまち潰えてしまうのは、なぜなのか。一年半という時の経過によって、自分の中で、一体、何が起きているのか。 原因を抽象的に探ってみても仕方がなく、果たして一旦、両者を分けて考えるこ......
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胡弓の音が室内を水のように流れ
小田 岳夫 / 城外「城外・紫禁城の人―他二篇 (1957年) (角川文庫)」に収録 amazon
関節をだるくするようなギターの音
平林 たい子 / 桜「平林たい子全集 2」に収録 amazon
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目立つプログラムだった割に、彼の演奏は、ほとんど評判にならなかった。 記事の扱いも小さく、フェスティヴァルのスタッフが日々更新するブログにも、 極 あっさりとした報告が載ったに過ぎなかった。 パッとしなかった と言うべきか、それは、大失敗して酷評されるよりも、今の彼には一層応える結果だった。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
(ソロコンサートで演奏が途中で止まるギタリスト)楽曲は、展開部の最後に差し掛かり、ベースラインの半音ずつの上昇を経て、最初の主題に戻ろうとする。まさにその刹那だった。 沈黙が、唐突に脇から彼を追い抜いて、行手に立ちはだかった。音楽が、その隙に彼の手から逃れ去った。何も聞こえなくなった。どういうわけか、しんとしていて、発熱した時間が、虚無のように澄んでいる。蒔野は、舞台の照明が目に入った時のように、その静寂を少し眩しいと感じた。額に汗が滲んだ。人混みで財布を 掏 られた人のように、彼は慌てて音楽を探した。手元にはただ、激しい鼓動と火照りだけが残されている。 聴衆は、突然、演奏が止まってしまったことに驚いていた。蒔野自身も呆然としていて、何が起きたのか、わかっていない様子だった。すぐに演奏に戻ろうとしたが、指はただ、指板の上をうろつくだけで途方に暮れた。蒔野はもう一度、驚いた顔をして、怪訝そうに、自分の左手を見つめた。 会場がざわつき始めると、彼は何も言わずに立ち上がって一礼した。客もどうしていいかわからなかったが、疎らに拍手が起きた。
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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その音には、生の楽器特有の鋭角的で不揃いな響きがあった。スピーカーから流されているできあいの音楽ではない。
村上春樹「スプートニクの恋人 (講談社文庫)」に収録 amazon
人は自分の職業で、自分が足りないと自覚してきた箇所を埋めようとするのかもしれない。
綿矢 りさ / 亜美ちゃんは美人「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
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自分の見たいようにしかものごとを見ない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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