TOP > 人物表現 > 思考・頭の中の状態 > 我に返る・意識が戻る
目がさめたようにふっとあらためて港を見渡した。そして、なんの感じも起こさないうちに、熟睡からちょっと驚かされた赤児 が、またたわいなく眠りに落ちて行くように、再び夢ともうつつともない心に返って行った。
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:36% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
ぼんやり・朦朧・ボーっとする
我に返る・意識が戻る
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......いた。そのしたたりが腕から離れて宙に飛ぶごとに、虹色 にきらきらと巴 を描いて飛び跳 った。 「……わたしを見捨てるん……」 葉子はその声をまざまざと聞いたと思った時、目がさめたようにふっとあらためて港を見渡した。そして、なんの感じも起こさないうちに、熟睡からちょっと驚かされた赤児 が、またたわいなく眠りに落ちて行くように、再び夢ともうつつともない心に返って行った。港の景色はいつのまにか消えてしまって、自分で自分の腕にしがみ付いた若者の姿が、まざまざと現われ出た。葉子はそれを見ながらどうしてこんな変な心持ちになるのだろう。......
ここに意味を表示
ぼんやり・朦朧・ボーっとするの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ぼんやりと体を覆っていたまどろみ
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
熱湯の中を漂うように、喧騒の中で沈んでいた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
我に返る・意識が戻るの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
金髪のバーテンダーはシェイカーを振り始める。そこで、ようやく空気に切れ目が入り、まわりの人間たちは「ほう」と溜息をつくのである。
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
突然君ははね返されたように正気に帰って後ろに飛びすざった。耳をつんざくような鋭い音響が君の神経をわななかしたからだ。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
我に返って周囲を見渡す
山田詠美「新装版 ハーレムワールド (講談社文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
顔色がいかにも多忙らしい、わるくすると多忙に食い殺されはしまいかと思われるほどこせついている。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
歯痛にでも襲われたかのように、口元を歪めて考えこむ
宮部 みゆき / とり残されて amazon
神経衰弱から来る妄念
岡本かの子 / 金魚撩乱
頭の中にもやもやとした混乱が起きている
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
「その他の気分」カテゴリからランダム5
一杯引っかけてスッカリいい心持ちになり
夢野久作 / ドグラ・マグラ
朝から飯をたべていないので、躯 じゅうが凄 んで来る。虎のようにのそのそと這いまわりたいような烈しい気持ちになる。
林芙美子 / 新版 放浪記
顔は酒のために色がうす白くかわり、眼尻がくずれてしまっていて汚かった。
野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
呼吸はますます押し潰されていく。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
その他の気分 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ