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(家族の死)同じ家に長いこといなければ、たとえ血がつながっていても、なつかしい風景の一つとして遠ざかってゆく
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
懐かしい・懐かしく思う
家族
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前後の文章を含んだ引用
......程度メンバーの秩序を保つことのできる人物が中心にひとりいれば、同じ家に暮らしてゆく人はいつしか家族になってゆく、そんな気がしはじめていた。 そしてもうひとつ。 同じ家に長いこといなければ、たとえ血がつながっていても、なつかしい風景の一つとして遠ざかってゆくのだ。 妹の、真由のように。 コーヒーを飲み、固いくるみのパンをかじりながら、いつのまにかそういうことを考えていた。 テーブルと朝の光という組み合わせが、私に家......
単語の意味
風景(ふうけい)
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(弟が生まれてしばらくして曾祖父が死んだ。)弟を撫でているうち、この赤ちゃんを産んだのは曾祖父ではないか、との思いにとらわれ、彼は自分でもわけが分からず奇妙な気分に陥った。これがつまり、悲しいという気持なのだろうか、と自分に問いかけた。
小川 洋子 / 盲腸線の秘密「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
(喪失感をまぎらすためにジョギングを始めた私と亡くなった彼女のセーラー服を着て過ごす柊という男)彼のセーラー服は私のジョギングだ。全く同じ役割なのだ。私は彼ほど変わり者でないので、ジョギングで充分だっただけのことだと思う。彼はそのくらいでは全くインパクトに欠けて自分を支えるにはもの足りないのでバリエーションとしてセーラー服を選んだ。どちらもしぼんだ心にはりを持たせる手段にすぎない。気をまぎらわせて時間をかせいでいるのだ。 私も柊もこの二カ月で、今までしたことのない表情をするようになった。それは失ってしまったものを考えまいと戦う表情だった。ふっと思い出して突然に孤独が押してくる闇の中に立っていると知らず知らずのうちにそういう顔になってしまうのだ。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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長く留守にしていた故郷にようやく戻ってきたような奇妙な懐かしさ
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
遠く行き去った愛惜物が突然また再現したような喜悦に似た感情
岡本かの子 / 母子叙情
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家族の表現・描写・類語(人の印象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
父にとって、妻ほど愛した存在はかつてなく、この先もいなかった。長ずるにつれ妻に似ていく娘の姿は、祝福であり呪いだった。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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硝子の中で磔(はりつけ)になっている卦算(けさん)の花ビラのように可哀そうに思われて来たのです。
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
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妙子ははち切れそうに元気に見えた。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
(死人の顔)なだらかな傾斜をもっていた荒井幸夫の顎は、色を変え、うすっぺらになり、そこには既に筋肉の力が働いていないことを示していた。
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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