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雨が静かに降りはじめた。雨は小屋の裏手にある雑木林に砂のような音をたてた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 ページ位置:60% 作品を確認(amazon)
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雨の音
小雨・静かな雨・春の雨
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前後の文章を含んだ引用
......えた草履をゆっくりとはき、筑後守はもうこちらをふり向きもせず、夕闇のおちた中庭に去っていった。小屋の戸口に蚊柱がたっている。馬がいななく声が外できこえた。 夜、雨が静かに降りはじめた。雨は小屋の裏手にある雑木林に砂のような音をたてた。 司祭は固い床に頭を押しつけて、この雨の音を聞きながら、自分と同じように裁きを受けた日のあの人のことを考えた。瘦せこけたあの人が、すりむけた顔を強張らせながら人......
単語の意味
雑木(ぞうき)
砂(すな)
雑木・・・いろいろな木々。炭や薪にする以外使えない木の総称。
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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