電子ピアノとピアノの鍵盤とはまるで違って、いつものように弾いていては指が上滑りしそうになる。「ひとつの朝」は転調が多く、曲調が何度も変わる曲だけど、正確に鍵盤を押すことに必死になってしまい、感情の切り替えまで気が回らない。何より電子ピアノの軽いタッチに慣れているせいで鍵盤が深く押せず、弱くなってしまった音がいくつかあった。
瀬尾 まいこ「そして、バトンは渡された (文春文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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......呼ばれた。ひととおり弾けるようにはしてきたけれど、久保田さんの後では聴き劣りするだろうな。そんな引け目も手伝ってか、私はなんとなくお辞儀をしてから弾き始めた。 電子ピアノとピアノの鍵盤とはまるで違って、いつものように弾いていては指が上滑りしそうになる。「ひとつの朝」は転調が多く、曲調が何度も変わる曲だけど、正確に鍵盤を押すことに必死になってしまい、感情の切り替えまで気が回らない。何より電子ピアノの軽いタッチに慣れているせいで鍵盤が深く押せず、弱くなってしまった音がいくつかあった。 弾き終わると、「いいのよ。まだ三日目だもん」 菊池先生はそう言った。 久保田さんの時は「よく仕上がっている」と言っていたから、だめだということだ。もっと練習し......
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