(黒玉、発火しない失敗した打ち上げ花火)宙へあがった八寸玉は、雲の中へでもはいってしまったようにいつまで何の光もない。 どかア――ん。 莫迦 みたいな音が、真っ暗な空の奥にひびいた。
吉川英治 / 銀河まつり ページ位置:88% 作品を確認(青空文庫)
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打ち上げ花火
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......た膝形 のまま、ひとみもそれを追って空に走っている。 どうだ! ――睨 むように宙天を見つめて、彼は、息の音をとめていた。だが、どうしたんだろう? 瞬時、また瞬時、宙へあがった八寸玉は、雲の中へでもはいってしまったようにいつまで何の光もない。 どかア――ん。 莫迦 みたいな音が、真っ暗な空の奥にひびいた。 「黒玉だッ」 誰かの口から、こう絶叫すると、唖然としていた一同が余りのことに、舌をもつれさせて、 「ど、どうしたんだ七!」 「くろ、くろ、黒玉だぞ七!」 泣くように......
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打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
沿道から夜空を見上げる人達の顔は、赤や青や緑など様々な色に光ったので、彼等を照らす本体が気になり、二度目の爆音が鳴った時、思わず後ろを振り返ると、幻のように鮮やかな花火が夜空一面に咲いて、残滓を煌めかせながら時間をかけて消えた。自然に沸き起こった歓声が終るのを待たず、今度は巨大な柳のような花火が暗闇に垂れ、細かい無数の火花が捻じれながら夜を灯し海に落ちて行くと、一際大きな歓声が上がった。
又吉 直樹 / 火花 amazon
花火という怪美な火の魔術
吉川英治 / 銀河まつり
(黒玉、発火しない失敗した打ち上げ花火)宙へあがった八寸玉は、雲の中へでもはいってしまったようにいつまで何の光もない。 どかア――ん。 莫迦 みたいな音が、真っ暗な空の奥にひびいた。
吉川英治 / 銀河まつり
吉川英治 / 銀河まつり
人間が生み出した物の中では傑出した壮大さと美しさを持つ花火
又吉 直樹 / 火花 amazon
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「夏」カテゴリからランダム5
みずみずしい花の色がそのまま黒土にしたたるように、紫陽花の花に雨が降りしきる
曽野 綾子 / 夫婦の情景 amazon
照りつける陽光から存分に栄養を吸った稲が、青々と地を埋め尽くす夏
奥泉光 / 三目の鯰「石の来歴」に収録 amazon
「空・中空」カテゴリからランダム5
月が厚い雲の向こうにひそんで、真珠色の光沢を雲の遠い縁に与える
大江 健三郎 / 芽むしり仔撃ち amazon
数え切れないほどの雲があとからあとから、かさにかかった軍団のように押し寄せてくる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
月が渡船場の船縁にキラキラと美しく砕ける
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
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