隅から隅まで何もかも全部が真っ白だった。これを汚さないで家まで持って帰るには、どうしたらいいのだろうかと不安がよぎるほどだった。
小川 洋子 / 亡き王女のための刺繡「口笛の上手な白雪姫」に収録 ページ位置：70% 作品を確認（amazon）
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白色（白い）
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......にちゃんと用意してあった。白い紙箱に納まるよう折り畳まれた産着の上に、帽子と靴下とよだれかけがセンスよく配置され、先生からのメッセージカードが添えられていた。 隅から隅まで何もかも全部が真っ白だった。これを汚さないで家まで持って帰るには、どうしたらいいのだろうかと不安がよぎるほどだった。その白さの中、首元や袖口やソックスの折り返しやよだれかけの縁に、更に深い白色の花が、たった今開いたばかりとでもいうような瑞々しさで刺繡されていた。流線型をした六......
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