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川ぞいの窓から差し込んでくる朝の光が、武内を照らしていて、それを邦彦はカウンターの中から見るともなしに見ていた。トーストの焼ける匂いと、珈琲ポットからのたてたばかりのほろ苦い香りが、邦彦のまわりに生温かくたちこめていたが、それは黙り込んでいるときの武内のうしろ姿からときおり滲み出てくる 物憂い静寂みたいなものを、いやにはっきりと映し出していた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 ページ位置:3% 作品を確認(amazon)
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光に照らされた顔や姿
朝日・朝の光
室内に差し込む光
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前後の文章を含んだ引用
......こには武内独特の型と呼べるものがあって、一種類だけの手に余るほどの花の束が、いつも不思議な勢いとおさまりを保ちながら、ちゃんと花器の中で咲いてしまうのだった。 川ぞいの窓から差し込んでくる朝の光が、武内を照らしていて、それを邦彦はカウンターの中から見るともなしに見ていた。トーストの焼ける匂いと、珈琲ポットからのたてたばかりのほろ苦い香りが、邦彦のまわりに生温かくたちこめていたが、それは黙り込んでいるときの武内のうしろ姿からときおり滲み出てくる物憂い静寂みたいなものを、いやにはっきりと映し出していた。 武内は、体つきは年齢よりもうんと若かったが、顔つきは実際よりかなり老けて見えた。そのバランスが、ふとしたひょうしに大きく崩れることがある。そんなときの武内は、......
単語の意味
物憂い(ものうい)
立ち込める・立ち籠める(たちこめる)
後ろ姿・後姿(うしろすがた)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
静寂(せいじゃく)
物憂い・・・気持ちがさっぱりしない。なんとなく心にわだかまりがある。だるくて何もかも面倒だ。「物」は、なんとなくそういう感じがすることを表す。
立ち込める・立ち籠める・・・煙や霧などの気体が、あたり一面を覆う。
後ろ姿・後姿・・・後ろから見た姿。後ろ手(うしろで)。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
静寂・・・物音一つなく静まり返っていること。ひっそりとして寂しさのあること。また。そのさま。「寂」は訓読みで「しず(か)」とも読める。
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急に電灯を背にしたので右頰のみが生き生きと輝いて深味のある顔になった女主人
野間 宏 / 暗い絵「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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太陽の最初の光がビルの汚れた壁面を藤色に染め、〈ソニー・ベータ・ハイファイ〉の巨大な広告塔を 眩しく光らせていた。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
遥か東南の雨もよいの夕空が一面、加賀の赤梅いろのように染まった
岡本 かの子 / 落城後の女「岡本かの子全集〈4〉 (ちくま文庫)」に収録 amazon
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空も街もそして部屋の中も、みんな同じような色あいの湿っぽい灰色に染まっていた。どこにもつぎめというものが見えなかった。
村上春樹 / 双子と沈んだ大陸「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
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六畳の部屋が三つ、鳥の箱のように並んでいる。
林 芙美子 / 清貧の書 amazon
鍋墨をぬったような真っ黒な室内が、古い写真の印画に似て、朦朧と浮かぶ
獅子 文六 / てんやわんや amazon
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光は今、反対側の山の中腹を照らしている。巨大なオレンジ色の円は夜を次々に引き剥がしていく。様々なものに張り付き包んだ夜を簡単に剥がしていく。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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相撲取りのように肥えた身体
広津和郎 / 神経病時代 amazon
秋だというのに、ずいぶんな薄着で、ただ、男の引き締まった身体には寒々しさは微塵もない。
伊坂 幸太郎 / 砂漠 amazon
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