根方に松葉が落ちていた。その上を蟻 が清らかに匍 っていた。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
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枯れ葉・葉が散る
蟻(あり)
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前後の文章を含んだ引用
......かまわないすぐ横になりたいような疲労が来る。そんな昂奮は楓 の肌を見てさえ起こった。―― 楓樹 の肌が冷えていた。城の本丸の彼がいつも坐るベンチの後ろでであった。 根方に松葉が落ちていた。その上を蟻 が清らかに匍 っていた。 冷たい楓 の肌を見ていると、ひぜんのようについている蘚 の模様が美しく見えた。 子供の時の茣蓙 遊びの記憶――ことにその触感が蘇 えった。 やはり楓の樹の下である。松......
単語の意味
蟻(あり)
蟻・・・アリ科の昆虫の総称。くの字の触覚を持ち、胸と腹と間にくびれがある。地中などで、女王蟻を中心に、雄の蟻、働き蟻(生殖能力のない雌)が階級を持ち集団で社会生活を営む。働き蟻は地上を歩いて食物を集め、勤勉なものの典型とされる。新しく羽化した女王と雄には翅(はね)があり(羽蟻)、交尾後に翅を失う。
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枯れ葉・葉が散るの表現・描写・類語(秋のカテゴリ)の一覧 ランダム5
年代相応に立派な銀杏の木が、古ぼけた四階建てのアパート群の足元に、乾いた落葉を敷きつめている。
浅田次郎 / ろくでなしのサンタ「鉄道員(ぽっぽや) (集英社文庫)」に収録 amazon
桜や若葉が、死魚の浮く池水のように生彩を失う
円地 文子 / 朱を奪うもの amazon
黄色に染まった空から黄金色の枯葉を雨のふるように落していた。
阿部 知二 / 冬の宿 amazon
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蟻(あり)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
長い蟻の行列が、墓地の一画をえんえんと横ぎっている
阿部 昭 / 阿部昭集〈第4巻〉父と子の夜 無縁の生活 ほか amazon
蟻塚 が 道傍 にうず高くつもり、蟻が吹き出すように 溢れていた。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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「秋」カテゴリからランダム5
黄葉しかけた樹々が細密画のようにくっきりと見える
五木 寛之 / ワルシャワの燕たち amazon
(赤や黄に染まりかけた紅葉が混ざった庭)庭に千代紙のようにちりばめられた赤
吉本ばなな / うたかた「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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虎斑 の大きな 肥った蜂
志賀 直哉 / 城の崎にて「城の崎にて・小僧の神様 (角川文庫)」に収録 amazon
真上から、直射日光を残された四人にあてている。土下座した四人の影が黒く地面にうつり、蟬がまた、その光った空気を裂くように鳴きはじめる。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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