TOP > 人物表現 > 骨・内臓 > 心臓の音・鼓動


カテゴリ検索 単語の意味
顔を横にして、地面につけてみる。ひんやりとした。耳に意識を集中した。空気の音がした。地面の音がした。しばらくして、心臓の鼓動が感じられた。身体が弾む。気のせいかしだいに、鼓動は大きくなるようだ。肩の力を抜いてみた。目を閉じてみる。  心音が僕を包む。落ち着く音だった。身体の中では血液が、爆発するように送り出されているのだろうが、その鼓動が心地よい。絶え間なくつづく、血液の循環だ。はるか昔、僕は誰かの腹の中で、この音を聞きながらよく眠っていたのだろう。守られている感覚がある。すっと力が抜ける。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り ページ位置:51% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
心臓の音・鼓動
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......寝るには都合がいいかもしれない。僕も、いつのまにかしゃがんでいた。そうしてから、彼女の脇に横になる。「ロリコンだ」と彼女がからかってくるが、僕は怯まなかった。 顔を横にして、地面につけてみる。ひんやりとした。耳に意識を集中した。空気の音がした。地面の音がした。しばらくして、心臓の鼓動が感じられた。身体が弾む。気のせいかしだいに、鼓動は大きくなるようだ。肩の力を抜いてみた。目を閉じてみる。 心音が僕を包む。落ち着く音だった。身体の中では血液が、爆発するように送り出されているのだろうが、その鼓動が心地よい。絶え間なくつづく、血液の循環だ。はるか昔、僕は誰かの腹の中で、この音を聞きながらよく眠っていたのだろう。守られている感覚がある。すっと力が抜ける。足りないのは羊水だ! ぼんやりとする頭にそんな声が聞こえる気がした。生まれてきた人間が、どれほど金を費やし、知識を得ても、どれほど強大な暴力を振るおうとも手に入......
単語の意味
身体(しんたい)
腹(はら)
暫く・姑く・須臾(しばらく)
身体・・・人のからだ。肉体。
・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
暫く・姑く・須臾・・・1.長いと感じるほどではないが、すぐともいえないほどの時間。ちょっとの間。一時的。
2.ちょっと待った!
ここに意味を表示
心臓の音・鼓動の表現・描写・類語(骨・内臓のカテゴリ)の一覧 ランダム5
このカテゴリを全部見る
「骨・内臓」カテゴリからランダム5
カテゴリ検索 単語の意味
同じカテゴリの表現一覧
骨・内臓 の表現の一覧 
人物表現 大カテゴリ
表現の大区分