両足を肩幅に開いて突っ立っている。注意深く見なければ気付かないほど微かではあるが、その身体が呼吸のリズムに合わせて絶えず左右に揺れている。これも十和子を苛つかせる陣治の癖のひとつだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
立ち姿
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......。ヒリヒリと神経を震わせる不安感も、一種の鈍い気怠さに変質する。「なあ、何してたん、どっか出かけてたんか」 くすんだ顔色をしている。数歩部屋に入り込んだ場所に、両足を肩幅に開いて突っ立っている。注意深く見なければ気付かないほど微かではあるが、その身体が呼吸のリズムに合わせて絶えず左右に揺れている。これも十和子を苛つかせる陣治の癖のひとつだ。「いっつもわたしがどこで何してるか見張っときたいんか。それでしつこう電話してくるんか!」 陣治の腹がキュウと鳴る。作業ズボンの裾からのぞくソックスの片方がずり落......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
ここに意味を表示
立ち姿の表現・描写・類語(姿勢・ポーズのカテゴリ)の一覧 ランダム5
悠は身近に太い青竹のように立ってはいるが、女の感情の襞(ひだ)に触れてくる弾力や、やさしさはない。
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
このカテゴリを全部見る
「姿勢・ポーズ」カテゴリからランダム5
長椅子には頭の禿げかけた中年男が乾燥魚みたいな格好で寝転んでいた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
姿勢・ポーズ の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ