(溺死体)大部分の水兵は溺死した。その溺死体の爪は残酷なことにはみな剥 がれていたという。 それは岩へ掻きついては波に持ってゆかれた恐ろしい努力を語るものだった。
梶井基次郎 / 海 断片 ページ位置:94% 作品を確認(青空文庫)
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死人・遺体
溺れる
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前後の文章を含んだ引用
......も小さなランチは波に揉まれるばかりで結局かえって邪魔をしに行ったようなことになってしまった。働いたのは島の海女 で、激浪のなかを潜っては屍体を引き揚げ、大きな焚火 を焚 いてそばで冷え凍えた水兵の身体を自分らの肌で温めたのだ。大部分の水兵は溺死した。その溺死体の爪は残酷なことにはみな剥 がれていたという。 それは岩へ掻きついては波に持ってゆかれた恐ろしい努力を語るものだった。 暗礁に乗りあげた駆逐艦の残骸は、山へあがって見ると干潮時の遠い沖合に姿を現わしていることがあった。
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溺れるの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
悲鳴とも怒号ともつかぬその声は、黒い頭が波間にかくれると共に消えた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
頭だけが難破した舟の木片のようにしばらく漂っていたが、舟のたてた波が間もなく覆ってしまった。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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俺は石の湿った裏側に蠢いている虫けらみたいな、じめじめした薄汚い存在かもしれない。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
まるで月光の滴りでも落してやるかのように病人の口の中へその水の滴を落してやった。
横光 利一 / 時間 amazon
外国に行くととたんにぴんぴんと水をはじく魚のようになった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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いつか必ず、誰もが時の闇の中へちりぢりになって消えていってしまう。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
(生きていたときのような華やかさは無く、)彼女は凍りついた無感動とでもいったようなものを身に纏っているだけだった。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
さつじん【殺人】人を殺すこと。読者の興味を失わせないために、唐突に発生する事象。―じけん【殺人事件】小説が推理小説であることを分かりやすく広告するために、題名に付けられる接尾語。「後光――」
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 amazon
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
杭のように動かなかった。
野上 彌生子 / 哀しき少年「野上彌生子全小説 〈8〉 哀しき少年 明月」に収録 amazon
あはは、と悟郎はのけぞるようにして笑い声をあげた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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