むかしは、菓子にも季節があって、冷暖房完備の現代にくらべると、私ども、東京の下町に住む職人の家などの〔御八つ〕には、それぞれ、四季の雰囲気が感じられたようにおもう。 〔やきいも屋〕が初夏になると〔蜜豆屋〕に転じ、夏ともなれば〔かき氷〕を売るように、である。
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:82% 作品を確認(amazon)
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菓子全般
おやつ
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前後の文章を含んだ引用
......ュラソーの香りが口中へひろがり、なんともいえぬさわやかさだ。 五十になったいま、菓子を、あまり食べなくなった私だが、こういう菓子なら、いくつでも食べられる。◇ むかしは、菓子にも季節があって、冷暖房完備の現代にくらべると、私ども、東京の下町に住む職人の家などの〔御八つ〕には、それぞれ、四季の雰囲気が感じられたようにおもう。〔やきいも屋〕が初夏になると〔蜜豆屋〕に転じ、夏ともなれば〔かき氷〕を売るように、である。 夏など、祖父に、「氷のブッカキを買っておいで」 と、いわれ、十銭ほども氷を買ってくると、祖父は、その半分を薬罐の麦茶へ入れておき、残る半分で、水羊羹を冷やす。......
単語の意味
初夏(しょか・はつなつ)
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
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菓子全般の味、おいしさを伝える表現・描写(和菓子のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ポッキーのチョコレートをまず全部舐める。そのあと、雨の日のきりかぶのように水分を含んだプリッツの部分をもぐもぐとする。
朝井 リョウ / 燃えるスカートのあの子「もういちど生まれる (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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おやつの味、おいしさを伝える表現・描写(料理(その他)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
三時のお茶をおいしく飲むために昼食はひかえ目にするぐらい、お茶の時間を大切にする
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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「和菓子」カテゴリからランダム5
透明の覆いのなかで、おじさんがまわす割り箸に雲がまとわりついていく。いつ見ても、綿あめができあがる様子は魔法みたいだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
「料理(その他)」カテゴリからランダム5
大体において、食事というものは、平和裡に開始され、平穏無事に進行し、大過なく終了するものである。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 amazon
塩を煮る湯気が小屋の屋根から太い棒を立てたように穏かな空へ白く立ち昇っている。
志賀 直哉 / 児を盗む話 (1948年) amazon
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