(川べりの恋人の部屋に泊まる)いつも川音を聞いていた。先に先に流れて行くんだよ、と言っているみたいに聞こえた。大きく、揺るぎなく聞こえて、この恋に対していつも不安だった私を安心させる子守歌だった。
吉本 ばなな / 大川端奇譚「とかげ (新潮文庫)」に収録 ページ位置:12% 作品を確認(amazon)
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川の音(せせらぎ)
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前後の文章を含んだ引用
......に向かって、もう戻れない気持ちを確かめるように。2人は週に一度しか会えなかったが、それでも私が夜中に泊まりに来ることはあった。ここから出勤することが多くなった。いつも川音を聞いていた。先に先に流れて行くんだよ、と言っているみたいに聞こえた。大きく、揺るぎなく聞こえて、この恋に対していつも不安だった私を安心させる子守歌だった。 彼が若いのにあまりにも大きいマンションの広い部屋に住んでいるのに戸惑った時期もあった。それは私だって、両親も健在で父は中小企業ではあるが社長だし、エスカレータ......
単語の意味
揺るぎない(ゆるぎない)
揺るぎない・・・動じない。確固としている。
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川の音(せせらぎ)の表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
虫の鳴き声とせせらぎの音が地鳴りのように高まっている
宮本輝 / 蛍川 amazon
うつけた静けさの底を沢の音が滑っていく
古井 由吉 / 聖―ひじり amazon
(道を進んでいくと)水のせせらぎが高まって来た。それは壁越しに聞く人の 呟きのように、ひそやかで、しめやかで、親しげであった。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
空はよく晴れて谷川はさらさら鳴りました。
宮沢賢治 / 風の又三郎
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「音の響き」カテゴリからランダム5
何処か遠いところで一声、急に、鋭く、長い尾を引っぱって汽笛が鳴った
宮本百合子 / 伸子
ドラム缶を金属バットでジャスト・ミートしたような大きな音
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
ビードロの山のような巨濤
前田河広一郎 / 三等船室「現代日本文学大系 (59)」に収録 amazon
川が風景を切ってあわただしく滑る
大岡 昇平 / 野火 amazon
湖が酷薄な女の目のように冷たそうに青く光る
原田康子 / 挽歌 amazon
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