勢いよくカーテンを閉める。カーテンの濃い色が部屋中に淀んで、また夜のようなあやふやさが戻ってくる。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 ページ位置:44% 作品を確認(amazon)
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カーテン
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前後の文章を含んだ引用
......体の力が抜けて、寒気が走った。わたしは構わずにパジャマを脱ぎ始めた。いつの間にか窓の下のベンチに浮浪者が坐っている。さっきの新聞を、皺をのばしながら読んでいる。勢いよくカーテンを閉める。カーテンの濃い色が部屋中に淀んで、また夜のようなあやふやさが戻ってくる。パジャマは容易に滑り落ちてゆく。姿見がわたしの全身を映す。 自分の目の高さから見下ろす時と、鏡で水平に眺める時では、どうしてこんなにも印象が違うのだろう。目で直......
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窓ガラスに白もめんのカーテンを引いた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
(カーテンを閉めて)それでもまだ光は、簡単に消すことのできない古い記憶のように、どこからともなく忍び入ってきた。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
日焼けしてないカーテン
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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四囲は水族館の水槽の底のように暗く沈んでいった
林 芙美子 / 女性神髄 (1949年) amazon
部屋中がサンルームのように、光に満ちていた。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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