オムレツの味、おいしさを伝える表現・描写(卵のカテゴリ)の一覧 ランダム5
皿の上のいかにも健康的に膨れあがったオムレツに手を着けた。ほどよく焼き色がついていて、二つ折りにされたその合わせ目からは、泡立った卵がほとんど敗北感を抱かせるほど傲岸に溢れ出している。海に向かって迫り来る溶岩のような趣だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 amazon
ふわふわとまるで雲をつかむような口ざわり。それでいてデカイ。
檀一雄 / 美味放浪記 amazon
オムレツは強い火でつくらなくてはいけない。熱したバタにそそがれた卵は、強い火で底のほうからどんどん焼けてくる。それをフォークで手ばやく中央にむけて、前後左右にまぜ、やわらかい卵のヒダを作り、なま卵の色がなくなって全体がうすい黄色の半熟になったところで、片面をくるりとかえして、火を消し、余熱でもう一度ひっくりかえして反面を焼いて形をととのえたら出来上る。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
オムレツがうまくできるようになればコックも一人前だ、といわれるけれど、オムレツはコツさえ覚えれば決してむつかしいものではないと私はおもう。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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オムレツはうちで出来たてをたべるべきだ。レストランでさめきったオムレツに真赤なケチャップがかかっているのなど、むしろ食べないほうがまし。おいしく出来上ったオムレツには、ケチャップもソースもおしょう油もつけないほうが、おいしい筈である。
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
(戦時中に作ったスフレオムレツ)貴重な玉子はふわふわと口の中で消えてしまった。まるで上等なヒレステーキをひき肉にしたみたいなことだった、といまにして思う。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
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