ひぐらしの鳴く声にうながされ、オレンジ色に染まった薄い雲の下を歩いて帰る。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 ページ位置:49% 作品を確認(amazon)
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夏の夕方
蝉(せみ)
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前後の文章を含んだ引用
......る。気温と湿度が上がる夏の山は、ほんとに危険でいっぱいだ。 だけど、木陰と朝夕は涼しい。斜面に生えた木の根もとに腰を下ろし、青い空と緑に覆われた神去村を眺める。ひぐらしの鳴く声にうながされ、オレンジ色に染まった薄い雲の下を歩いて帰る。そんなとき俺は、「ああ、きれいだなあ。楽しいなあ」と、心の底から思うことができた。 あ、でも、木陰と沢の近くも油断しちゃいけない。じめじめして薄暗い場所には、ヒ......
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夏の夕方の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
昼の暑さがじょじょに、薄く透き通る青空に吸い込まれてゆく時刻だった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
夏の夕方の明るさは砂上の淡水のような肌目のこまかさで空気に溶け込み
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
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蝉(せみ)の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
蝉がジッジジッジと鳴いた。
梶井基次郎 / 城のある町にて
ちりちりともつれたように短い啼音(なきね)を立てて、蝉が飛び移った
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
つくつく法師が鳴いた。「文法の語尾の変化をやっているようだな」ふとそんなに思ってみて、聞いていると不思議に興が乗って来た。
梶井基次郎 / 城のある町にて
糸杉のそれぞれの幹には数え切れないほどの蟬がしっかりとしがみついて、世界が終末に向って転がり始めたといった風に鳴きわめいていた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
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「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
蟬 が病室のむこうで息ぐるしい程、鳴いていました。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
(虫の)眉の形をした、また櫛の歯のような形でもある(太い触角)
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
油を焦がすようだった蝉の音も次第に消えて行く
水上 瀧太郎 / 山の手の子「俤 (百年文庫)」に収録 amazon
林に囲まれたこぢんまりしたお寺で、せみの声が何重にも渦を巻いていた。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
「夏」カテゴリからランダム5
やわらかな新緑に体ごと染まってしまいそうな初夏
竹西寛子 / ひとつとや amazon
梶井基次郎 / 路上
(雨季)雨はシャワーのように機械的に連続して降り、ぴたりと 止み、また不意に、 栓 をひねったように落ちて来た。そうして幾日も幾日も降った。
大岡 昇平「野火(新潮文庫)」に収録 amazon
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