秋になって温気がいくぶん和らぐ頃

夏もすでに遠くなり、半袖のシャツの上にコットンの薄手のジャケットというかっこうでちょうどいい。

庭の朝顔の葉が弱まった陽ざしにかさかさと鳴って、秋の音を伝えだす

残暑もそろそろ衰えかけた九月の半ば過ぎ

空がまだ僅かに夏の輝かしさをとどめている九月の初め

乾いた落ち葉の音を足許にまといつかせる

背を刺すような日表（ひなた）は、蔭となるとさすが秋の冷たさが跼（くぐま）っていた。

九月も半ばというのに、真夏が一日戻ってきたような暑い日

絣（かすり）のように群がり光る赤トンボ共

風は頭上の樹々の枝を微かに震わせ、その葉を規則的に地上に払い落とす。車の屋根に落ちた葉は小さな乾いた音を立て、しばらく屋根の上を彷徨ってからフロント・グラスの傾斜をつたってフェンダーに積った。