湿っぽいねばつく靄が立って、遠方の高い建築物をぼやかして見せた
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:86% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
霧・かすみ・もや
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......見たが無かった。阪部が航海中読むようにと一冊の本を買い、一時間ほどで丸善を出た。 朝からの小糠雨はまだやまなかった。全市が一枚の濡れた大外套のようだ。それから、湿っぽいねばつく靄が立って、遠方の高い建築物をぼやかして見せた。傘を拡げたなり高くかかげて、向うから来る人と衝突するのを避けながら、阪部が、 「さて、どうします」 と伸子にたずねた。 「いやなお天気ね――これでは歩く気もしないわ......
単語の意味
湿っぽい(しめっぽい)
湿っぽい・・・1.水気を含んでいて、ジメジメしている。
2.気分が落ち込んでいる。陰気な感じがする。
2.気分が落ち込んでいる。陰気な感じがする。
ここに意味を表示
霧・かすみ・もやの表現・描写・類語(雨・霧のカテゴリ)の一覧 ランダム5
雨滴と見紛うばかりの大粒の霧が山を包む
畑 正憲 / 天然記念物の動物たち amazon
春の霞が薄く被衣のようにかかる
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
往き来の人や車が、幻影のように現れては幻影のように霧のうちに消える
国木田 独歩 / 武蔵野 amazon
このカテゴリを全部見る
「雨・霧」カテゴリからランダム5
(雪に濡れる)溶けかけた雪が髪をきらきら 濡らし、しずくが紺の厚いコートの肩にぽたぽた落ちていた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
陰鬱な小雨
宮本百合子 / 伸子
同じカテゴリの表現一覧
雨・霧 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ