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夜晩 く鏡を覗 くのは時によっては非常に怖 ろしいものである。自分の顔がまるで知らない人の顔のように見えて来たり、眼が疲れて来る故か、じーっと見ているうちに醜悪な伎楽 の腫 れ面 という面そっくりに見えて来たりする。
梶井基次郎 / 泥濘 ページ位置:29% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
鏡・ミラー
深夜
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前後の文章を含んだ引用
......いた。冷い白い肌に一点、電燈の像を宿している可愛い水差しは、なにをする気にもならない自分にとって実際変な魅力を持っていた。二時三時が打っても自分は寝なかった。 夜晩 く鏡を覗 くのは時によっては非常に怖 ろしいものである。自分の顔がまるで知らない人の顔のように見えて来たり、眼が疲れて来る故か、じーっと見ているうちに醜悪な伎楽 の腫 れ面 という面そっくりに見えて来たりする。さーっと鏡の中の顔が消えて、あぶり出しのようにまた現われたりする。片方の眼だけが出て来てしばらくの間それに睨 まれていることもある。しかし恐怖というようなものもあ......
単語の意味
醜悪(しゅうあく)
醜悪・・・見た目が不細工なこと。心や行いに品がなく、みにくいこと。
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鏡・ミラーの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
水銀に罅 の入った古い掛鏡
宮本百合子 / 伸子
鏡に色目をつかったって、鏡が惚 れてくれるばかり。
林芙美子 / 新版 放浪記
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深夜の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
世界中の皆が眠りに落ちている真夜中
小川 洋子 / 先回りローバ「口笛の上手な白雪姫」に収録 amazon
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「道具・家具」カテゴリからランダム5
ニセ物(作り話)が本物より人の心を魅きつけるっていうのが小説の世界なんだ。
林 真理子 / エンジェルのペン「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
弘美は長く伸びた煙草の灰をあたりにまきちらしながら、大声で笑った。よっぽど大量の煙を吸い込んだらしく、それは笑っている弘美の鼻の穴からいつまでもこぼれ出ていた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
インクがべったり手に付きそうな朝刊
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
ハリケーンのときも、前の日の夕焼けが、あんまり大火事のようで、しかもその赤がどす黒くて
三島 由紀夫 / 午後の曳航 amazon
地上は草のあわいまでも紫の影に満ち、 陽 の熱の名残と、土と、水蒸気とから生れる、甘ずっぱい匂いがあたりに漂っていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
陽 が落ちかけて、 川面 に朱色のさざ波が 閃 めき始める
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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