(ビルの屋上で)無情にも風が強くなる。ビルがぐらりと傾斜した。気のせいだ。ビルは傾かない。身体が風に煽られただけだ。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 ページ位置:67% 作品を確認(amazon)
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強風・暴風
風を受ける
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前後の文章を含んだ引用
......すくむのをこらえ、ぐっと両足を踏ん張る。目を上げ、空を見る。まだ、だいじょうぶだ。でも、風が吹いている。いつまでもつかわからない。誰か、早く助けてくれないか。 無情にも風が強くなる。ビルがぐらりと傾斜した。気のせいだ。ビルは傾かない。身体が風に煽られただけだ。疲れてきている。足下がふらつく。もうだめかもしれない。 踏ん張って、こらえる。下を見ないようにして、どうにかやり過ごす。また風が吹く。身体が揺れ、ビルがさらに傾......
単語の意味
身体(しんたい)
身体・・・人のからだ。肉体。
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吹き始めた暴風は一秒ごとに募るばかり
有島武郎 / 生まれいずる悩み
右に左に、木々は首を振って、枯れた木の葉を散らし続ける。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
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ただ涼しい風がそよそよと鬢 の毛をそよがして通るのを快いと思っていた。
有島武郎 / 或る女
夜風の吹き渡る往来は多少胃の痛みの薄らいだ僕の神経を丈夫にした。
芥川竜之介 / 歯車
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池の面を洗うようにして、涼しい風が吹いてくる
岩田 豊雄 / 獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 amazon
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何でもない風をよそおい
林芙美子 / 新版 放浪記
油が乗ったように威勢よく
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