一日寒空に、切り株の上にさらされていたので、飯粒は一粒一粒ぼろぼろに固くなって、持った手の中からこぼれ落ちる。試みに口に持って行ってみると米の持つうまみはすっかり奪われていて、無味な繊維のかたまりのような触覚だけが冷たく舌に伝わって来る。

おにぎりの一口目は味気ないものである。一口目がおにぎりの中心部の梅干しのところに到達するということはない。

飯粒のあいだから顔を出したコロッケを見て、ヨキはうれしそうだ。なんだか占いみたいなおにぎりだなあ

食うと云うよりむしろ食いつくんだね。すると中心から梅干が一個出て来るそうだ。この梅干が出るのを楽しみに塩気のない周囲を一心不乱に食い欠いて突進するんだ

やっと持っていられる位の熱々のおにぎり

京都の高級料亭で出るタケノコご飯は、格が違う。

雑炊は江戸庶民料理の花形でした

ぷりぷりと歯ごたえのある鶏肉がたっぷりと入り、トマトケチャップで熱く香ばしく炒めたチキンライス

うなぎの蒲焼が崩れぬようにさらりと混ぜ合わせる

牛肉の薄切りと玉葱などの野菜をいため、ブラウンソースで煮込んで、飯の上に掛けた料理