(土俗地理学者)その若い学者は科学の中でも、過去へ過去へと現代から離れて行く歴史性に、現実的の精力を取籠 められて行く人にありがちな、何となく世間に対しては臆病 であり乍 ら、自己の好みに対しては一克 な癇癖 のようなものを持っていた。それは純粋な坊ちゃん育ちらしい感じも与えた。
岡本かの子 / 河明り ページ位置:45% 作品を確認(青空文庫)
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学者・博士
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前後の文章を含んだ引用
......、東京生れの娘が今まで気付かずにいたものの、その実はいかに東京の土と水に染 みているかを学問的に解明された。 「明日は、大曲 の花屋の前の辺にいます。いらっしゃい」 その若い学者は科学の中でも、過去へ過去へと現代から離れて行く歴史性に、現実的の精力を取籠 められて行く人にありがちな、何となく世間に対しては臆病 であり乍 ら、自己の好みに対しては一克 な癇癖 のようなものを持っていた。それは純粋な坊ちゃん育ちらしい感じも与えた。 「さあ、明日からはいよいよお茶の水の切り堀りに取りかかりましょう。学校へは少し廻りになるかも知れませんが、いらっしゃい、いいでしょう」 この男が、いいでしょうと......
単語の意味
癇癖(かんぺき)
癇癖・・・怒りっぽい性格。「癇癖な人」
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前を開けた白衣姿の男は、技術開発部の真野だ。
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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(花火職人)彼は、自分の心魂をつめこんだに等しい八寸玉の製作を終った。
吉川英治 / 銀河まつり
刀鍛冶 は単なる職人ではなく、霊感を受けた芸術家であり、その仕事場は聖なる場所であった。彼らは毎日、神仏に祈り、身を清めてから仕事にかかった。いわゆる「その心魂気迫を打って 錬鉄 錬 冶 した」のである。 槌 を振るい、水につけ、 砥石 で 研く、その一つ一つの動作が厳粛な宗教的な行為であった。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
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