ザ、ザ、ザッ――と野分のように、男女のうしろで、草が鳴った。
吉川英治 / 野槌の百 ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
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......道を、二人の人影は、なまめかしく、より添って歩いてゆく。 ひとりは、浪人だ。 侍にしては、なで肩で、気どった男である。そして、お稲はすこし、酔っているらしい。 ザ、ザ、ザッ――と野分のように、男女のうしろで、草が鳴った。 (何か?) というように、ふり顧った優 がたの浪人は、チカッ、と白い、針の飛ぶような光線を、まっすぐに見たと思うと、 「わッ」 と、こめかみへ、両手をかさねて、草む......
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赤城おろしが吹き渡って、寺の裏の森が潮のように鳴る
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
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火は却って雨に逆らって、鞭打つような音を立てて募った
三島由紀夫 / 金閣寺 amazon
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