果てしない砂の平原にひとりで投げ出されれば、窒息しそうな閉塞感に捉えられる。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 ページ位置:40% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
砂漠・砂丘
孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
......れていて感じるのは、果てしない砂漠のなかにぽつんと立っているときに感じる、あの絶望感とまったく同じものだって――。そうなんだ、石窟は砂漠だし、砂漠は石窟なんだ。果てしない砂の平原にひとりで投げ出されれば、窒息しそうな閉塞感に捉えられる。だけど逆に、暗い穴のなかに身動きもできずに閉じ込められていると、今度は、無限の空虚にのみ尽くされてしまうような恐怖にかられる。僧たちはそれを知っていたんだね。彼......
単語の意味
砂(すな)
砂・・・岩石が細かくなったもの。岩が徹底的に砕かれたもので有機物が含まれていない。そのため、土(有機物が含まれる)と違って、植物は育ちにくい。砂場や砂漠に雑草が生えにくいのもこのため。
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砂漠・砂丘の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
巨大な水鳥の上嘴(じょうし)のように、細長い尾根筋のふくらみ上がった砂丘
島尾 敏雄 / 島尾敏雄 amazon
砂漠から吹きつける砂嵐は、あたりにもうもうと立ちこめ、二重窓のすき間からも砂が入ってくる
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
地平線さえ定まらない砂漠のひろがり
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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孤独・一人ぼっちの表現・描写・類語(寂しい・喪失感のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(仲よしグループから当然の絶縁を宣告され、思い当たることがない心境)どう言えばいいんだろう、まるで航行している船のデッキから夜の海に、突然一人で放り出されたような気分だった《…略…》誰かに突き落とされたのか、それとも自分で勝手に落ちたのか、そのへんの事情はわからない。でもとにかく船は進み続け、僕は暗く冷たい水の中から、デッキの明かりがどんどん遠ざかっていくのを眺めている。船上の誰も船客も船員も、僕が海に落ちたことを知らない。まわりにはつかまるものもない。そのときの恐怖心を僕は今でも持ち続けている。自分の存在が出し抜けに否定され、身に覚えもないまま、一人で夜の海に放り出されることに対する怯えだよ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
明るいが、どこか総体に冷たく沈んだ瀬戸物の絵のような、伊豆の美しい雑木林の風景
井上 靖 / 猟銃「猟銃・闘牛 (新潮文庫)」に収録 amazon
まるでチョコレートの化粧箱の色刷りの絵のような風景
安岡 章太郎 / 海辺の光景 amazon
笛の音や、うちわや、潮風の風景がゆっくりと夜に映って、まるで燈籠のように流れてゆく
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
「寂しい・喪失感」カテゴリからランダム5
唯一人で曠野(こうや)の深い深い雪に埋もれているような心持ち
島崎 藤村 / 三人の訪問者 amazon
まるで宇宙の闇を見ているように孤独なのだ。
吉本 ばなな / 哀しい予感 amazon
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