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沈むだけ沈んでチンボツしてしまった私は難破船のようなものだ。飛沫 がかかるどころではない、ザンブザンブ潮水を呑んで、結局私も昨夜の淫売婦と、そう変った考えも持っていやしない。あの女は三十すぎていたかも知れない。私がもしも男だったら、あのまま一直線にあの夜の女に溺 れてしまって、今朝はもう二人で死ぬる話でもしていたかもしれない。
林芙美子 / 新版 放浪記 ページ位置:4% 作品を確認(青空文庫)
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生活苦・貧しい暮らし(日々)
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前後の文章を含んだ引用
......これは又、十銭玉一ツで、失望、どんぞこ、墜落との紙一重なのではないだろうか――。 お母さんだけでも東京へ来てくれれば、何とかどうにか働きようもあるのだけれど……沈むだけ沈んでチンボツしてしまった私は難破船のようなものだ。飛沫 がかかるどころではない、ザンブザンブ潮水を呑んで、結局私も昨夜の淫売婦と、そう変った考えも持っていやしない。あの女は三十すぎていたかも知れない。私がもしも男だったら、あのまま一直線にあの夜の女に溺 れてしまって、今朝はもう二人で死ぬる話でもしていたかもしれない。 昼から荷物を宿屋にあずけて、神田の職業紹介所に行ってみる。 どこへ行っても砂原のように寥々とした思いをするので、私は胸がつまった。 (お前さんに使ってもらうんじ......
単語の意味
溺れる(おぼれる)
溺れる・・・1.水の中で泳げなくて、苦しくてもがく。
2.心を奪われる。ひどく夢中になる。「ギャンブルに溺れる」
2.心を奪われる。ひどく夢中になる。「ギャンブルに溺れる」
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魚屋の前は眼をつぶって、息を殺して通る。
林芙美子 / 新版 放浪記
こんなに生活方針 がたたなく真暗闇になると、ほんとうに泥棒にでもはいりたくなってくる。
林芙美子 / 新版 放浪記
キャベツばっかり食べている。ソースをかけて肉なしのキャベツをたべる。
林芙美子 / 新版 放浪記
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