お月様で光っている縁側

立派なガーデン・チェアと陶製のテーブルが並んだ庭

砂地のように渇いた庭

狭い庭に雑然と植わっている本は茂り放題に茂って、長いこと床屋に行かない頭のようになった。

白砂に緑（えん）の砂洲を配した美しい庭

薄暗い玄関の 三和 土 は 御影石 張りらしく、四畳半ほどの広さがある。

瞳（ひとみ）を揶揄（やゆ）するように陽の反射の斑点（はんてん）が、マントルピースの上の肖像画の肩のあたりにきろきろして、かの女の視線をうるさがらしていた。《…略…》そのきろきろする斑点を意固地（いこじ）に見据えて、ついでに肖像画の全貌（ぜんぼう）をも眺め取った。幸い陽の斑点は光度が薄かったので、肖像画の主人公の面影を見て取ることが出来た。

（広い庭）幾何学的造りの庭が池の単純な円や、花壇の複雑な雲型や弧形で、精力的に区劃（くかく）されていた。それは偶然規則的な図案になって大河底を流れ下る氷の渦紋のようにも見えた。

棺桶 に限りなく似たこの部屋

サイコロの中みたいな正方形の部屋