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刻下の労苦がどこかに押しやられ、濾過(ろか)された花のように思い出だけが浮かぶ
本庄 陸男 / 石狩川〈上〉 作品を確認(amazon)
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思い出・思い出に浸る
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単語の意味
労苦(ろうく)
刻下(こっか)
労苦・・・苦労すること。あれこれと努力したり、心配したりすること。
刻下・・・現在向き合っていること。ただいま。
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思い出・思い出に浸るの表現・描写・類語(記憶のカテゴリ)の一覧 ランダム5
思い出は、これすべて、只、記憶の海を航海しているようなものである。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
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思い出がナイフのように鋭く蘇る
遠藤 周作 / 何でもない話 amazon
小さいあみ目のある原稿用紙はみるのもぞっとしてしまう。あのひとを想い出すからだ。
林芙美子 / 新版 放浪記
ある光景が蘇ったのはそのときだった。あまりにも一瞬のことで、今、蘇ったどこかの光景が、いったいいつの、どこで見た光景なのか、分からないほどだった。光代は思わず目を閉じて、一瞬蘇った光景を再現した。必死に目を閉じていると、またぼんやりと、その光景が浮かび上がってくる。 どこ? ここ、どこ? 光代は目を閉じたまま、心の中で呟いた。ただ、浮かび上がってきた光景は一枚の写真のように、いくら別の場所を見ようとしても、それ以上に広がらない。 目の前に若い女の子が二人立っている。こちらに背を向けて、楽しそうに笑い合っている。その向こうには年配の女性の背中が見える。女性は壁に向かって何か話している。いや、違う。壁じゃなくて、どこかの窓口。透明のボードの向こうで切符を売る男性の顔がある。 どこ? どこ? 光代はまた心の中で呟いた。必死に目を閉じると、窓口の上に貼られた路線図が見える。 「あ!」 光代は思わず声を上げそうになった。見えたのは、バスの路線図だった。自分が立っている場所は、佐賀と博多を結ぶ長距離バスの切符売り場だったのだ。 それが分かった瞬間、静止していた光景がとつぜん音と共に動き出す。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
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