(親しいと思っていた人の)その姿がちょうど双眼鏡を逆に見た時のように急に自分から遠のき、小さくなって了ったように感ぜられた。そして誰も彼もが。それは本統に孤独の味だった。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:31% 作品を確認(amazon)
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寂しい
孤独・一人ぼっち
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前後の文章を含んだ引用
......そして三幕程見てそこを出た。彼はぶらぶらと一人海添いの往来を帰って来た。彼の胸には淋しい、謙遜な澄んだ気持が往来していた。お栄でも信行でも、咲子でも、妙子でも、その姿がちょうど双眼鏡を逆に見た時のように急に自分から遠のき、小さくなって了ったように感ぜられた。そして誰も彼もが。それは本統に孤独の味だった。しかも彼にはそれらの人々に対し、実に懐かしい気持が湧き起っていた。そして彼は又亡き母を憶い、何といっても自分には母だけだった、という事を今更に想った。幼時の様々......
単語の意味
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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サトウのいない夜は、どこかに不完全な感じが漂っている。その不完全さは、淋しいとか恋しいとか、何かを追い求めるような気持ちとは全く違って、ただの単純なあるがままの不完全さだ。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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僕にとってもそれは孤独な季節であった。家に帰って服を脱ぐ度に、体中の骨が皮膚を突き破って飛び出してくるような気がしたものだ。僕の中に存在する得体の知れぬ力が間違った方向に進みつづけ、それが僕をどこか別の世界に連れこんでいくようにも思えた。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
孤独感っていうの? 強く、押しつぶされそうに感じた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
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空虚な空気のなかにぽつねんと一人取り残された。
梶井基次郎 / 檸檬
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