断じて自分は狂ってなどいなかったのです。一瞬間といえども、狂った事は無いんです。けれども、ああ、狂人は、たいてい自分の事をそう言うものだそうです。
太宰治 / 人間失格 ページ位置:95% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
気が狂う
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......せられたわけでした。その病棟には、男の狂人ばかりで、看護人も男でしたし、女はひとりもいませんでした。 いまはもう自分は、罪人どころではなく、狂人でした。いいえ、断じて自分は狂ってなどいなかったのです。一瞬間といえども、狂った事は無いんです。けれども、ああ、狂人は、たいてい自分の事をそう言うものだそうです。つまり、この病院にいれられた者は気違い、いれられなかった者は、ノーマルという事になるようです。 神に問う。無抵抗は罪なりや? 堀木のあの不思議な美しい微笑に......
ここに意味を表示
気が狂うの表現・描写・類語(思考・頭の中の状態のカテゴリ)の一覧 ランダム5
気が狂いそうだった。腐りそうだった。
吉本 ばなな / ムーンライト・シャドウ「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「思考・頭の中の状態」カテゴリからランダム5
(泳ぎながら考える)水中は考えごとに適した場所でもあった。それは一種の禅のようなものだ。いったん運動のリズムに乗ってしまえば、頭の中に思考を束縛なく漂わせることができる。犬を野原に放つように。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
ああ、わかりかけた、いや、まだ、……などと頭脳に走馬燈がくるくる廻っていた
太宰治 / 人間失格
眼隠しされた奔馬(ほんば)のような無知さで、前後も考えず有無なく結婚してしまった。
嘉村 礒多 / 業苦 amazon
思考力をすっかり内部へ追い込んでしまった
岡本かの子 / 母子叙情
同じカテゴリの表現一覧
思考・頭の中の状態 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ