舞台とは反対の方面で、しきりに花火を揚げる。花火の中から風船が出た。帝国万歳とかいてある。天主の松の上をふわふわ飛んで営所のなかへ落ちた。次にぽんと音がして、黒い団子が、しゅっと秋の空を射抜くように上がると、それがおれの頭の上で、ぽかりと割れて、青い煙が傘の骨のように開いてだらだらと空中に流れ込んだ。風船がまた上がった。
夏目 漱石 / 坊っちゃん 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
打ち上げ花火
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
単語の意味
秋の空(あきのそら)
秋の空・・・1.秋の高く澄み渡った空。秋の日の、晴れて高く見える空。秋空(あきぞら)。
2.秋のころの変わりやすい天気。また、人(とくに異性)の変わりやすい心のたとえ。
2.秋のころの変わりやすい天気。また、人(とくに異性)の変わりやすい心のたとえ。
ここに意味を表示
打ち上げ花火の表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夜空に花火が咲く。花火は好きだ。色とりどりの光を空にぶちまけて咲く、あの一瞬がいい。消えたあと、しんと静まり、いつもより黒く広く感じる空がいい。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「夏」カテゴリからランダム5
「空・中空」カテゴリからランダム5
青じろい雲がまるい環 になって後光のようにかかっている
宮沢賢治 / 銀河鉄道の夜
(赤い月)赤い月が墓地に出ていた。火のついた街では氷を削るような音がしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
(雲一つない青空)寝転んで空をあおいだ並作は、そのあまりの蒼さに目がくらんだ。見上げる空には底がなかった。なんとか底を覗き見れないものかと目を凝らしてみた。一瞬、蒼い空の奥になにかうっすらと白い、空の島のようなものを見たと思ったが、それもすぐに消えてしまった。
阿刀田 高 / 蒼空「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
窓の外には淋しく星が光る。
吉本 ばなな / キッチン「キッチン (角川文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
夏 の表現の一覧
空・中空 の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ