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やがて日が翳りはじめる。高い椎の樹へ隠れるのである。直射光線が気疎 い回折光線にうつろいはじめる。彼らの影も私の脛の影も不思議な鮮やかさを帯びて来る。
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:35% 作品を確認(青空文庫)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......く。しかしなんという「生きんとする意志」であろう。日なたのなかの彼らは永久に彼らの怡 しみを見棄てない。壜のなかのやつも永久に登っては落ち、登っては落ちている。 やがて日が翳りはじめる。高い椎の樹へ隠れるのである。直射光線が気疎 い回折光線にうつろいはじめる。彼らの影も私の脛の影も不思議な鮮やかさを帯びて来る。そして私は褞袍 をまとって硝子 窓を閉 しかかるのであった。 午後になると私は読書をすることにしていた。彼らはまたそこへやって来た。彼らは私の読んでいる本へ纒 わりつい......
単語の意味
光線(こうせん)
陰り・翳り(かげり)
気疎い(けうとい)
射光(しゃこう)
臑・脛(すね)
光線・・・光のすじ。光の線。差してくる光。
気疎い・・・それ以上見聞きし続けるのは不快である。嫌な感じだ。不愉快。
射光・・・光を出すこと。また、その光。
臑・脛・・・足の、膝(ひざ)から踝(くるぶし)までの部分。とくに、その前面をいう。脛(はぎ)。
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窓の外にはもう薄闇が立ち込めている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
小さな家々の小窓に夕暮の陽がか あっと照りつけていた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
季節らしさのこもった夕暮なり。
林芙美子 / 新版 放浪記
朱を流しながら灼熱の太陽をどっぷりと飲み込んでいく海
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
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空にはまだ昼の輝きが残っている。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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