（すいかの成長）まるで小さな動物みたいな膨み方をするんです

果（くだ）もの屋の溝板（どぶいた）の上には抛（ほう）り出した砲丸（ほうがん）のように残り西瓜（すいか）が青黒く積まれ、

（すいかは）デザインもいい。 　とにもかくにもまん丸、小細工一切なし。一見、デザインのことなどまるで考えていないようだが、どうしてどうして、夏の畑の日照りの中で、スイカはちゃんとそのことも考えているのである。 　スイカは地肌の暗緑色、あの一色だけであっても誰にも文句を言われる筋合いはない。しかしそれではあまりに面白味がないし、第一陰気である。 　そこで、その地肌に、黒のストライプのプリント柄を入れたらどうか、と、スイカは夏の畑の日照りの中で考えたのである。しかし直線のストライプでは、風船みたいで果物、野菜の感じがしない。 　千葉、埼玉の雰囲気が出ない。 　そこで考えついたのが、ストライプにギザギザをつけることであった。《…略…》内部の〝赤〟もデザイン的にすばらしい。一番外側の緑、ふちどりの白、そして圧倒的な容量を誇る赤、赤の中に点々と混じる〝画竜点々睛〟の黒い種。 　このままで、そのまま絵になる。

食べ終わったときは口のまわりはべろべろになっているものである。 　だから、最初に大型タオルを用意しておく。小型でも中型でもいけない。こいつで口のまわり、およびアゴを力強くぬぐう。

大きなスイカにかぶりついて、ところどころ種が貼り付いている子供の顔が愉快

オオシマザクラの実は美味しいけれど、ヤマザクラは苦い。一番のオススメはウワミズザクラ。

若い人には新鮮な味、中高年には懐かしい味

初夏のルビーといわれる、その張り詰めた皮肌は輝きに満ちている

柔らかいがしっとりとした歯ごたえがある。香りも甘さも強烈だ！

剥くときの爽やかな香り、ぷりっとした歯ごたえ、弾け飛ぶ果汁に感動