駆逐艦は翼をおさめた灰色の水鳥のように、見えない程に身体をゆすって、浮かんでいた。それは身体全体が「眠り」を貪 っているように見えた。
小林多喜二 / 蟹工船 ページ位置:68% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
乗り物が揺れる
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前後の文章を含んだ引用
......たものが、ゴジャゴジャになった嘔吐 が、五、六段続いて、かかっていた。嘔吐からは腐ったアルコールの臭 いが強く、鼻にプーンときた。胸が思わずカアーッとくる匂いだった。 駆逐艦は翼をおさめた灰色の水鳥のように、見えない程に身体をゆすって、浮かんでいた。それは身体全体が「眠り」を貪 っているように見えた。煙筒からは煙草の煙よりも細い煙が風のない空に、毛糸のように上っていた。 監督や雑夫長などは昼になっても起きて来なかった。 「勝手な畜生だ!」仕事をしながら、ブ......
単語の意味
貪る(むさぼる)
身体(しんたい)
貪る・・・終わることなく欲しがり続ける。満足することなく一つの行為を続ける。
身体・・・人のからだ。肉体。
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イカダが矢がすりの模様のように、三つが互い違いにつなぎ合わせてある
山本 有三 / 波 amazon
(マグロ漁船)80日間世界一周過酷労働の旅
428 ~封鎖された渋谷で~ amazon
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やつは吃驚して長い廊下を獅子舞いのように走って逃げた。
林 芙美子 / 山中歌合「風琴と魚の町/清貧の書 (新潮文庫 は 1-4)」に収録 amazon
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