元来鏡というものは気味の悪いものである。深夜蝋燭 を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗 き込むにはよほどの勇気がいるそうだ。
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:68% 作品を確認(青空文庫)
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鏡・ミラー
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前後の文章を含んだ引用
......したり顔に振り廻しているのかも知れない。大分 物騒になって来たなと、そっと窺 っている。 かくとも知らぬ主人ははなはだ熱心なる容子 をもって一張来 の鏡を見つめている。元来鏡というものは気味の悪いものである。深夜蝋燭 を立てて、広い部屋のなかで一人鏡を覗 き込むにはよほどの勇気がいるそうだ。吾輩などは始めて当家の令嬢から鏡を顔の前へ押し付けられた時に、はっと仰天 して屋敷のまわりを三度馳 け回ったくらいである。いかに白昼といえども、主人のようにかく一生......
単語の意味
深夜(しんや)
深夜・・・真夜中。夜更け。深更(しんこう)。
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鏡・ミラーの表現・描写・類語(道具・家具のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(鏡の中の自分)我々は顔を見合わせてため息をついた。我々は違う世界に住んで、同じようなことを考えている。まるで「ダック・スープ」のグルーチョ・マルクスとハーポ・マルクスみたいに。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
壁の鏡はまるでさっき出土されたもののようにどんより曇っている。
吉本ばなな / 哀しい予感 amazon
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新聞が、巨大な蛾のごとく宙を舞った
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 amazon
箱の口をいっぱいに切り開いて左の内ポケットに入れてある。タバコを吸うときには背広の奥に手を入れ長いタバコを一本だけ、そっと引き抜く。白い指の動きが美しい。
阿刀田 高 / 狂暴なライオン「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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