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自分の中の最も大切な部分をごっそりと削り取られてしまったような空虚感を抱えている。それで、バランスが崩れてしまって、今はふらつきながら辛うじて立っているような状態だった。
平野啓一郎「ある男」に収録 ページ位置:48% 作品を確認(amazon)
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喪失感(大切なものを失う)
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......なのだろうかと、里枝は、息子の背中を見つめ、微かに覗く横顔に目を遣った。この一年で急に背が伸びたが、それでもやはり中学生らしく、華奢は華奢だった。 大人でさえ、自分の中の最も大切な部分をごっそりと削り取られてしまったような空虚感を抱えている。それで、バランスが崩れてしまって、今はふらつきながら辛うじて立っているような状態だった。この子も口には出さないまま、辛さに耐えているんだろうと、今更のように思った。金魚の世話をしてみたり、妹の面倒を看たり、本を読んだりしながら、きっと、どうにか自分......
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喪失感(大切なものを失う)の表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(自殺した友子)そしてわかった。自分が実は友子を恨んでいるということ。あの夜彼女は自分の言いたいことだけ言い、思い残すことなくこの世を去り、智明の心だけがあの夜の中に置き去りにされたこと。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
友子が実は生きているのか、死んでいるのか目覚めてしばらくはさっぱりわからなかった。ひどいものだった。人前で一日せっかく普通の一日をふるまって取り戻しても、眠って目覚めたとたん暗い暗いふりだしに戻ってしまうのだ。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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母の手前兄夫婦の手前、泣くまいとこらえてようやくこらえていた僕は
伊藤左千夫 / 野菊の墓
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