(老いた象)象はひどく年老いていたので体を動かすのもやっとというありさまだったし、はじめてこの象を見た人は今にも地面に崩れ落ちて息を引きとってしまうのではないかと不安な気持になるくらいだった。
村上 春樹 / 象の消滅「新装版 パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 ページ位置:6% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......五人の小学生たちは異口同音に証言していた。象はいつものようにおとなしく広場のまん中に立って、ときどき鼻を左右に振ったり、しわだらけの目を細めたりするだけだった。象はひどく年老いていたので体を動かすのもやっとというありさまだったし、はじめてこの象を見た人は今にも地面に崩れ落ちて息を引きとってしまうのではないかと不安な気持になるくらいだった。 象が町にひきとられることになったのも、その老齢のためだった。町の郊外にあった小さな動物園が経営難を理由に閉鎖されたとき、動物たちは動物取引仲介業者の手をとおし......
単語の意味
体(からだ)
象(ぞう)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
象・・・ゾウ科の哺乳動物。巨大で全身灰色、長い牙を持つ。最大の特徴である自由に屈伸する長い鼻は、人間の手と同じように物を掴むことができる。「象」の字は象の姿の象形文字。アジア象は基本的に穏やかな性格で、家畜として飼育される。
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老人は黙って立った。脊が高くちょうど風雨にさらされた山の枯木のような感じがした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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老人は、子供のころよく見た腹話術の人形みたいな顔をしていた。話すときの、口元の動きに特徴があった。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(美魔女)とても四十七歳には見えなかった。単に若く見える、というのではなく、そもそも年齢というものから 瑞々しく解き放たれているのだった。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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