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その時もし、どこからか猿 のようなものが、走って来て、帷子 の裾 を月にひるがえしながら、彼らの中へとびこまなかったとしたならば、猪熊 の爺 は、すでに、あえない最後を遂げていたのに相違ない。が、その猿 のようなものは、彼と相手との間を押しへだてると、とっさに小刀 をひらめかして、相手の乳の下へ刺し通した。
芥川龍之介 / 偸盗 ページ位置:78% 作品を確認(青空文庫)
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命拾い・九死に一生を得る
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前後の文章を含んだ引用
......た。 「だまし討ちじゃ。だまし討ちを、食らわせおった。助けてくれ。だまし討ちじゃ。」 赤あざの侍は、その後ろからまた、のび上がって、血に染んだ太刀 をふりかざした。その時もし、どこからか猿 のようなものが、走って来て、帷子 の裾 を月にひるがえしながら、彼らの中へとびこまなかったとしたならば、猪熊 の爺 は、すでに、あえない最後を遂げていたのに相違ない。が、その猿 のようなものは、彼と相手との間を押しへだてると、とっさに小刀 をひらめかして、相手の乳の下へ刺し通した。そうして、それとともに、相手の横に払った太刀 をあびて、恐ろしい叫び声を出しながら、焼け火箸 でも踏んだように、勢いよくとび上がると、そのまま、向こうの顔へしがみつ......
単語の意味
翻す(ひるがえす)
隔てる(へだてる)
猿(さる)
隔てる・・・間に何か置く。間に何か置いて交流や行き来できないようにする。時間的、空間的に間をあける。
猿・・・1.ヒト以外の霊長類の総称。人間に似た哺乳動物。後ろ足でたったり前足で物を握ったりできる。音が「去る」と同じで忌み嫌われ、反対の意味の「得る」からエテ(得手)と代替することもある。
2.雨戸の桟(さん)に取り付けた戸締り道具。
3.囲炉裏(いろり)の自在鉤(じざいかぎ)を上げてとめておく用具。
2.雨戸の桟(さん)に取り付けた戸締り道具。
3.囲炉裏(いろり)の自在鉤(じざいかぎ)を上げてとめておく用具。
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命拾い・九死に一生を得るの表現・描写・類語(生と死のカテゴリ)の一覧 ランダム5
命拾いしたのだからこれくらい大きな幸運はあるまい。 単に命が助かっただけではない。一旦は絶望していた仕事への希望が戻ってきた。
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
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あはは、と悟郎はのけぞるようにして笑い声をあげた。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
蝶々のように躍る女の子
木山 捷平 / 大陸の細道 amazon
芝居の揚幕の出かなんぞのように悠揚 と壁に剔 ってある庭の小門を開けて現われた。
岡本かの子 / 巴里祭
「生と死」カテゴリからランダム5
死病を宣告されると、これまで想を練っていた新しい方向がひどく鮮明に浮んできた。事実、その着想を得たときは昂奮して二、三日は夜も眠れなかった。その後もずっとその考えを追ってきたのだけれど今までぼんやりとしていたそれがここで明確になってきた。それも生きる期間を制限されて気持が急に真剣になったものか、神経的な感覚が尖鋭になったものかよく分らなかった
松本 清張 / 与えられた生「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
死ねば私の意識はたしかに無となるに違いないが、肉体はこの宇宙という大物質に溶け込んで、存在するのを止めないであろう。私はいつまでも生きるであろう。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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頭から肩にかけて、岩のような頑固な力がこもる
高樹 のぶ子 / 光抱く友よ amazon
非凡は気狂の異名 である
夏目漱石 / 吾輩は猫である
その小さなものはへその緒から滋養を吸い、刻一刻大きさを増していく。生ぬるい暗闇からの脱却を求め、彼女の子宮の壁を蹴っている。それは光と自由を欲している。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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